標準語アクセントで話しているのに、「クマ」だけ関西アクセント?
母は東京の日本橋の生まれで、東京弁を話した。手紙を書かせると「‥でせう。」と書き、「美味しいです」と聞けば、そんな変な日本語はないと言っていた。(「美味しい」で文は言い切っているので、それに「です」を付けると異様)。だが、ヘルメットを鉄兜と呼んだのには参った。
そう言う母に言葉のしつけを受けて育ったので、アクセントには自信があった。歩くアクセント辞典だと自負していた時期もあったが、長年海外で日本語を教えてきたので、もうそんな自信はない。
だが、去年盛んに報じられた熊騒動で、「くま」を「高低」で発音するのを聞くたびにイラッとしていた。アナウンサーらしき人までも、前後は正しい標準アクセントなのに「くま」だけ「高低」で発音している人がいる。私が関西弁を試みた時にも、関西弁ネイティブの人に同様かそれ以上の苛立ちを与えているに違いない。
母の他界後、マンションは売り払って断捨離を決行し、8畳一間のアパートに足場を移したが、まだ基本的な本は手放さずに持っている。NHKアクセント辞典を引くと、「低高」とある。「マ」の上にある線が右端で下がっているのは、後続する助詞などで音が下がると言う意味だ。

メディアの普及によって関東弁の関西弁化が起きている。「ど真ん中」の「ど」などは関東を制圧している。「まん真ん中」という言い方があったことを知らない人が大半だろう。
熊については、自然喪失にともなって話題に上る機会が十分になかったであろうから、大人から子供へのアクセントの伝承が起こらず、高低アクセントの「くま」が浸透しやすかったという事情もあるだろう。
早晩、両パターンのアクセントがアクセント辞典に載るようになるのではないか。



「早晩、両パターンのアクセントがアクセント辞典に載るようになるのではないか。」
最新版のNHKのアクセント辞典では、すでに両パターンが併記されています。
情報ありがとうございます。東西の日本語が合流してどのような日本語になっていくのか、興味深いところです。