日本企業のヨーロッパ進出は、イギリスではなくオランダがお勧め
2026年5月現在、イギリスでは、Reform UKが躍進しています。この調子だと次の総選挙で政権党になりそうです。
そうなると、永住権の剥奪が実行に移されると思います。私はサッチャー政権の末期に永住権をもらって、それ以来ずっとイギリスにお世話になっています。この土台が奪われることになります。年金は、これまでかけてきた金銭への対価なのでもらえそうですが、5年ごとの居住権の更新と、NHSの世話になることができなくなることが、大きな痛手になります。高齢になってから医者にかかることはできない、居住権の更新が却下されたといったことになったら、大変な思いをしなければなりません。日本人を捨ててイギリス人になるか、日本に本帰国するかのどちらかを選ばなければなるでしょう。
一時期教えていたことがあるので、イギリスの日本人補習校が機能しなくなるだろうことが想定できます。いわゆるご主人ビザでイギリスに滞在し、永住権を獲得した日本人女性と、私のように婚姻とは無関係に得た永住権を土台にイギリスで生活している教員とで日本人補習校の教師は構成されていますが、結局どちらもイギリス人になるか、日本に帰るかという選択を迫られます。結果的に多くの教員を失い、日本人学校は運営できなくなると思います。教育を非常に大切にする日本人にとって、これは由々しき事態です。
イギリスの日系企業は、昔すべての要職を日本から派遣していましたが、時代とともに様変わりして、中間管理職等はイギリス人を起用し、技術的な面を担う人員を日本から派遣する形になりました。Reform UKが政権を取ったら、この日本人派遣にかかるコストはさらに高くなるでしょうし、派遣されても近い将来必ず国から追い出されるばかりで、定住への道は非常に困難になるでしょう。
こんな不安定な状態で社員をイギリスに派遣するよりも、賢い選択肢があります。それは、オランダです。オランダでは英語がよく通じます。人によってはイギリス人よりきれいな英語を話します。そして、オランダと日本には日蘭通商航海条約(1912年締結)があって、AIによると、
a) 日本人はオランダで労働許可(Work Permit)なしで働ける と判断された(2014年)
b) これに基づき、オランダ日本貿易条約ビザ(Dutch Japanese Trade Treaty Visa) が運用されている
c) 日本人起業家は、通常より簡易な手続きでオランダに会社設立・居住が可能
とのことです。
さらに、EU内の自由な物流を利用して商売ができます。EUから離脱したイギリスからEUに物を輸出するには大変な苦労が必要ですが、それが一切なくなるのです。オランダに会社があれば、イギリスに輸出したいものがあるときだけ、この苦労をすればよいのです。
同じ理屈が、すでにイギリスに進出している企業にも当てはまります。イギリスに拠点を置く利点がほとんどすべて失われる以上、イギリスに拠点を置くのは賢明な判断だと思われません。Brexitと時期を同じくしてホンダがイギリスから引き揚げたのと同様に、Reform UKが政権を担うようになったら、それを機会にイギリスの拠点をオランダに移す、あるいはイギリスから撤退するというのが、将来的な不安定要素を最小にする賢明な判断だと思われます。

