「張本人」を良い意味で使えるのか。
テレビ東京の「ガイアの夜明け」が好きで、よく見ています。日経が関与しているからか、日本語の使い方も正確で、その点でのいらだちを感じずに安心して見ることができます。
一つだけおかしいと思うのは、「張本人」の使い方です。手元に大きな辞書がないので、『新明解国語辞典(第四版)』を見ますと、
張本人
①そもそもその事件の起こるもとを作った人。②首謀者。③賊の首領。かしら。
とあります。私の理解では、「張本人」は、何か悪いことをしでかした本人だという理解で、何か良い結果をもたらすもとを作った人という認識はありません。
インターネット上で見ますと、『精選版 日本国語大辞典』からとして、
〘 名詞 〙 ( 古くは「ちょうぼんにん」 ) 悪事などをくわだてて、事件を起こすもととなった者。首謀者。発頭人。張本者。張本。
とあります。
ところが、「ガイアの夜明け」では、この「張本人」を、良い意味で使うことが、一度ならず、数回ありました。私は、バックナンバーの古い物から順に見返しているので、この番組の原稿を書いている人が、「張本人」を良い意味で理解して一貫して使っていることが分かります。推測ですが、「張本人」にネガティブな意味が付随しているという認識がなく、「本人」という意味に力を込めて「張本人」と言っているように思えます。
私は、「張本人」にネイティブな意味がなくなったという段階では、まだないと考えます。「仕掛け人」等の語に置き換えるのが適切だと思います。


